おバアのベクトル

私のこと

こんにちは。

本日もご訪問いただきましてありがとうございます。

さて。

私の職歴の中で一番長いのが、当時、ちょうど今の私くらいの年齢のご夫婦が営まれていた町薬局です。

小ぢんまりとした、薬も雑貨も化粧品も取り扱っているという、今ではすっかり見かけなくなってしまった、店頭に象だのカエルだのの人形が置いてあるようなお店です。

そういうお店では、自ずと、オールマイティーな人員が求められます。

薬に関する事はもちろん、どの歯ブラシがいい?だの、このシャンプーどんな匂い?だの、私に似合う口紅を見つけて。だの。

そのうちに近隣の医院の処方箋も受け付けるようになってからは、そちらの業務も加わり、自分で言うのもなんですが、本当ーーーーにオールラウンダーな私でした。

健康相談、処方箋の調剤、化粧品の接客、レジ、薬の発注から商品の陳列、補充。休みの日には先生と奥さんと一緒に薬の勉強会や化粧品の講習会に行き、月末月初は、当時は手書きだったレセプト請求に必死!!みたいな。

何度も言いますが、本当にオールラウンダーでした。(おいおい)

我ながら、あれは若かったからこなせていたのだと思います。

そんなかつての自分にすごく誇りを持っている私でありますが、最初からこの様に仕事が出来ていたわけでは、もちろん、当然、ありません。

素人同然の薬剤師に、容赦なく!ビシバシ!!薬局の仕事を仕込んで下さったのがオーナー薬剤師の先生。

(いえいえ。文句を言っているのではありません。それが今の私の礎です。笑)

そのような調子ですので、勤務を始めた頃は、毎日胃が痛くなり、出勤拒否になるかも……くらいに、その先生にすっかりビビっていたのでありますが、ある日、ふと、私が気にしないといけない人はこの人ではなく、お客さんや。ということに気がついてからは、憑き物が落ちたように、仕事に向き合えるようになりました。

私のベクトルの向きが変わった瞬間てした。

そうなるとお客様の方にもそれが伝わるようで、少しづつではありますが、そんなペーペー薬剤師にも相談を持ちかけて下さる方が増えてきました。

子供がおられないご夫婦でしたので、そのうちに娘のように可愛がってくださるようになり、どっぷりと、その薬局の仕事にハマっていた日々でした。

残念ながら、高齢になられ お店は畳まれてしまいましたが、今でもあの日々は私の財産であり、ご夫婦は今でも大切な方々です。

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