こんにちは。
本日もご訪問いただきましてありがとうございます。
さて。
本日は、数日前に「患者とは心に串が刺さった人である」のお話で書いた、皮膚科の医師、井上勝平先生のお話をもう少々。
今から20年弱前に、当時勤務していた薬局の勉強会で、元宮崎医科大学の先生であられた この井上先生の講義を5回ほど受ける機会がありました。
当時でどれくらいのお歳だったか………私が当時若かったために、すごくお歳を召されていたようにも思いますし、今思えば、案外今の私くらいだったかもしれないし……よくわかりません。
が、大学で教鞭をとられる傍ら、外国に行かれたり、医師の国家試験を作ったりと、いろいろなキャリアを積まれておられた先生でした。
2時間くらいをかけて皮膚科の臨床の話を多数のスライドを用いて話してくださいましたが、毎回、その講義の前後に、皮膚科の話とは全く関係のない話をしてくださいました。その話が実に興味深く、下手をすれば、肝心の皮膚科の話は全く覚えておらず?!その話ばかりが記憶に残っている……ような気がしないでもありません。
そんなお話の一つに、
「優しい人は優れた人、優れた人は優しい人」 (やさしいひとはすぐれたひと、すぐれたひとはやさしいひと)
というのもあります。
「やさしい」と「すぐれる」に同じ漢字をあてた日本人の感性って、なんて素晴らしいんだ!!と、熱く語っておられたのが今でも目に焼き付いています。
これだけではありません。
そして、さらには!!
「優しいとは、人の憂い(うれい)がわかること。」 (優はニンベンに憂と書きます。)
人の憂いがわかる人が優しい人で、優しい人は優れた人である!!
おそらくは、将来の医師に向けて教鞭をとられる中で、「勉強が出来るだけではダメなんだよー。人としてこうでなければいけないんだよー。」ということを このような話を用いて教えてこられたのだと思います。
私も医療人の端くれの端くれの端っくれとして、ハッと気が付かされた言葉でした。
かように、医師としてだけではなく、人間愛に満ち溢れた先生であったなぁ~。と、久しぶりにしみじみと思い出したのであります。
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